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皐月賞で際立つ2頭の2歳GI馬。
ライブで見たかった豪華メンバー。
posted2020/04/18 19:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
100.4%、78.8%、83.4%。
これは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため3週連続無観客で行われたGI、高松宮記念、大阪杯、桜花賞の売上げの前年比である。額でいうと、それぞれ127億134万8200円、120億1269万7800円、140億4762万3500円となる。
ネットと電話投票だけでこれだけ売れているのは、競馬がITコマースとして成立する要素をもともと持っていたことに加え、ほかのスポーツがことごとく中止となり、数少ない娯楽のひとつとして、相対的な存在感が上がったことも影響しているだろう。
8週目の無観客競馬となる今週は、クラシック三冠競走の皮切りとなる第80回皐月賞(4月19日、中山芝2000m、3歳GI)が行われる。前述した3つのGIにつづき、4週連続での無観客GIとなる。
豪華メンバーの中でも2頭は別格か。
先週の桜花賞同様、ライブで観戦できたらどんなにいいだろうと思う、素晴らしいメンバーが揃った。
なかでも注目されているのは、ここまで無敗で突き進んできた、2頭の2歳GIウイナーだ。1番人気に支持されるのは、その1頭、ホープフルステークスを勝って2歳王者となったコントレイル(牡、父ディープインパクト、栗東・矢作芳人厩舎)だろう。
昨年9月の新馬戦を福永祐一の手綱で楽勝すると、2戦目の東京スポーツ杯2歳ステークスではライアン・ムーアを背に5馬身差で圧勝。1分44秒5という芝1800mの2歳日本レコードを叩き出した。
そして、福永に手綱が戻った3戦目のホープフルステークスも完勝。その内容が圧巻だった。持ったままで4コーナーを回って前との差を詰め、直線へ。楽な手応えのままラスト200m地点で先頭に立ち、撫でるように軽い右鞭が一発入っただけで、最後の5、6完歩は流すようにして、1馬身半差の勝利をおさめた。