福永がホープフルS後に話したこと。

　閑話休題。ダービーという大目標に関しては、手綱を取る福永祐一騎手もホープフルSの直後、次のように述べていた。

「今回は彼が今後、どういう路線を行くのか占う意味でも大切な一戦でした。結果的に（2000メートルで）これだけの競馬が出来れば、ダービーを目指していけるでしょう」

　実際、そのレース内容については「うまく我慢して運べた」と口を開き、更に続けた。

「手応えが楽だったので最後はどれだけ離すかと思ったけど、先頭に立って少し躊躇するところがありました。前走でライアン（東京スポーツ杯2歳Sはライアン・ムーア騎手が騎乗）が最後までしっかり追った理由が分かりました」

皐月賞で2着4回、今回こそ。

　その福永騎手は2年前、これまたディープインパクト産駒のワグネリアンで念願の日本ダービー優勝を果たしている。父であり往年の伝説的な名ジョッキーだった福永洋一元騎手でも勝つ事が出来なかった頂点をついに掌中に収めた。

　ファンや関係者の期待が大き過ぎるのか、何故か注文を多くつけられがちな同騎手だが、これで3歳5大クラシックレースはシーザリオのオークスやエピファネイアの菊花賞など7勝目。ヴィブロスで勝った秋華賞も合わせると牡牝三冠レースだけで実に8勝も挙げている名手である。

　ただ、不思議なことに牡馬クラシックの開幕となる皐月賞だけは勝っていない。もっともこれをもって苦手と言うのはナンセンスで、キングヘイローやリアルスティールなど、2着が4回もあるのだから、ほんの少し、縁がなかったという事だろう。今年、その悪い流れが途切れる可能性は充分にあるはずだ。

　福永騎手が戴冠するシーンを大いに期待したい。

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