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ビーチサッカーW杯MVP茂怜羅オズ。
ラモス監督の焼肉、伝道師の危惧。
text by
原山裕平Yuhei Harayama
photograph byYuki Suenaga
posted2020/04/17 19:00
トレーニング後、さわやかな笑顔を見せる茂怜羅オズ。ぜひビーチでのアクロバットなプレーを目にしてみてほしい。
選手兼監督、そしてクラブ代表。
そんな輝かしい実績を持つ茂怜羅は、普段は東京ヴェルディのビーチサッカーチーム(東京ヴェルディBS)に所属し、選手兼監督として活動している。さらにはクラブの代表も務め、スポンサー回りといった営業活動もこなしている。
“三足の草鞋”を履き、多忙な日々を過ごすなか、今年2月に東京ヴェルディBSはビーチサッカーの世界クラブ選手権に日本のチームとして初めて出場し、ベスト4進出の快挙も成し遂げている。
代表でもクラブシーンでも茂怜羅は圧倒的な存在感を放ち、日本のビーチサッカー界を牽引し続けている。
「日本のレベルを高めたい」
かつて抱いたその目的は、着実に叶えられつつある。
取り巻く環境がさほど変わらない現実。
ただし、競技レベルは上がっても、ビーチサッカーを取り巻く環境は来日した頃からさほど変わってはいないという現実もある。
「前よりもチームの数は増えてきていますが、毎日練習できるようなチームは少ないですね。やっぱりトップリーグがないし、プロ選手も少ない。日本に来たばかりの頃と比べれば良くなっているけど、最近は停滞している感じはありますね」
ブラジルが発祥のビーチサッカーだが、現在はイタリアやポルトガル、ロシアといったヨーロッパでも盛んに行われている。
なかでもビーチとはイメージが程遠いロシアでは人気スポーツとして認知されており、屋内施設に砂を敷いた会場が数多く整えられているという。優勝を決めるようなビッグゲームには、1万人近くの観衆が詰めかけることもある。
一方で日本はプロリーグが存在せず、各地域でリーグ戦が行われているにすぎない。全国規模の大会は、地域リーグの上位チームが参戦できる「地域チャンピオンシップ」とJFAが主催する「全日本ビーチサッカー大会」の年2回のみ。目標を持ちづらい状況であるのは否めない。
「今回のワールドカップでベスト4に進出したのはポルトガル、イタリア、ロシア、そして日本。そのなかでプロリーグがないのは日本だけなんです。にもかかわらず、世界のトップ争いに関わることができた。もし、日本にプロリーグができたら、本当に世界一が見えてくると思います」