サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ビーチサッカーW杯MVP茂怜羅オズ。
ラモス監督の焼肉、伝道師の危惧。
posted2020/04/17 19:00
text by
原山裕平Yuhei Harayama
photograph by
Yuki Suenaga
昨年11月、ラモス瑠偉監督率いるビーチサッカー日本代表は、パラグアイで行われたワールドカップでベスト4進出の快挙を成し遂げた。そのチームでキャプテンを務め、躍進の立役者となったのが、茂怜羅(モレイラ)オズだ。
茂怜羅はブラジル出身の34歳。リオデジャネイロの海のそばで育ち、ビーチサッカーは産まれた時から生活の一部だった。6歳で本格的にこのスポーツをはじめ、16歳で地元のクラブとプロ契約。ブラジル国内ですぐさま頭角を現した茂怜羅は2006年、20歳の時にドイツのクラブへと移籍。かつてのチームの監督に誘われて日本にやって来たのは、その翌年の2007年だった。
来日当初は日本のビーチサッカーのレベルの低さにショックを受けたが、日本の文化や人々の優しさに触れるにつれ、次第に「日本人になりたい」という想いが湧いてきたという。そして2012年に日本国籍を取得し、その想いを叶えた。
アジア予選優勝が大きな自信に。
茂怜羅が日本人となった大きな目的は、日本のビーチサッカーのレベルを高めること。そのためにはワールドカップで勝つことが重要なミッションとなった。
ビーチサッカーのワールドカップは、2年に一度開催される。茂怜羅が日の丸を背負って初めて出場したのは2013年大会。昨年の大会が4度目の出場となった。
過去3回は2013年、'15年大会がベスト8、そして2017年大会はグループステージ敗退に終わっていた。世界の壁に阻まれ続けてきたなか、茂怜羅自身、今回は自信があったという。それはアジア予選で優勝できたことが大きい。過去3回はいずれも優勝に届かず、本大会では各大陸の優勝チームと同居する厳しい組み合わせとなっていたからだ。
「アジアで優勝したので、本大会の組み合わせが比較的楽になりました。前回はブラジルと同じグループになってしまいましたから。だからアジアで優勝することが大きな目標でしたし、それを達成できたので、選手全員の自信にもつながりました」