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いまアスリートは身を切るべきか。
欧米で広がる給与削減問題、日本は? 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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posted2020/04/11 11:40

いまアスリートは身を切るべきか。欧米で広がる給与削減問題、日本は?<Number Web> photograph by AFLO

リオネル・メッシの7割返上表明で一気に火がついたアスリートの年俸カット問題。選手とクラブの哲学が問われている。

日本のアスリートたちはどう動く?

 グローバル・スポーツ・サラリーの統計によると昨季のプレミアリーグの選手たちの平均年俸は300万ポンド(≒4億円)を超え、クラブのオーナーたちも天文学的な額の資産を有するビリオネアだ。

 その一方で、彼らよりもずっと少ない稼ぎでウイルスとの戦いの最前線に立つ医療従事者や、明日の生活にも困っている人々がいる。だからクロースやルーニーの言葉には一理ある。実際、選手(や監督)たちは各々で寄付をしたり、医療関係者への基金を立ち上げたりしている。

 日本のスポーツ界でも、北海道コンサドーレ札幌の選手が3割の減給を申し出たり、プロ野球選手会がクラウドファンディングで選手から寄付を募ったりしている。政府の対応も大きく違うなか、エリートアスリートを含む高額所得者たちはどう動くだろうか。

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トニ・クロース
ウェイン・ルーニー

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