リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
バルサ、レアルですらほぼ無収入。
コロナ禍はリーガ史上最大の危機。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2020/04/05 20:00
閑散としたカンプ・ノウ周辺。バルセロナとレアル・マドリーの2強がほぼ無収入となれば、いわんや他クラブは……である。
「これほど先が見えないのは初めて」
「クラブの舵取りに関わるようになって長いが、これほど先が見えないのは初めて。この厳しい状況下でクラブの存続を確かなものにするために、我々は難しい判断を下すことを強いられている」
1990年代からアトレティコの経営に携わっている、最高経営責任者ミゲル・アンヘル・ヒル・マリンがサポーターに向けて発したメッセージである。
アラベスも詳細は公表していないが、「不可効力による経済的打撃を最小化するために」同じ経営母体であるバスケットボールクラブのサスキ・バスコニアともども、スポーツ部門の全関係者を対象とする調整に踏み切った。
さらに4月1日の時点で、アスレティック・ビルバオが給料の減額について選手側との話し合いを始めており、全支出に対する人件費の割合がバルサほど高くないR・マドリーも同様の交渉を検討せざるを得なくなりつつあるという。
まさに前代未聞の事態。リーガ史上最大の危機である。