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野球選手にとって「個性」とは何か。
MLB開幕延期で考えた歴史の有用性。

posted2020/03/28 19:00

 
野球選手にとって「個性」とは何か。MLB開幕延期で考えた歴史の有用性。<Number Web> photograph by AFLO

マーク・フィドリッチはボールに話しかけながら投げる姿が人気になった。日本では桑田真澄が有名だ。

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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 新型コロナの影響がなければ、今頃はメジャーリーグが開幕していたはずで、敵地ミルウォーキーでの開幕戦に登板したはず(?)のダルビッシュ有投手の快投や、敵地ヒューストンに乗り込んで打者として活躍するはずの大谷翔平選手や、「サイン盗み」に抗議するエンゼルス・ファンのブーイングについて書いていたのかな? などと思いながら過ごしてる。

 キャンプ地から撤収して以来、朝起きるとすぐにシカゴ・ローカルのテレビをつけて地元の現況を知り、全米ネットワークのニュースでアメリカの今を知り、そしてニュース専門チャンネルで世界の流れを知る。

 そして、最後にMLBネットワークをつけっ放しにするのが日課となっている。

 番組編成に苦戦するほかの多くのテレビ局同様、メジャーリーグが保有する同局は、「苦肉の策」として過去に制作されたドキュメンタリー番組を再放送し続けている。

野球選手の個性について考えた。

 これらが意外と退屈しないのは、自分がリアルタイムで体験していないメジャーリーグの歴史を、きちんと整理された「過去の出来事」として知ることができるからだろう。

 そして、それらの番組を見ながら最初の段階で感じたのは、「野球選手の個性って何だろう?」ということだった。

 その番組=『The Bird』は、元タイガースで新人だった1976年のオールスターゲームで先発投手に抜擢されるなど、センセーショナルな活躍をしたマーク・フィドリッチ投手の伝記を基にしたプログラムだった。日本で生まれ育ち、彼が現役で活躍した頃は「野球と言えば、巨人の王さんか阪神の田淵さん」だった自分にとっては「お伽話」に近い。

 マサチューセッツ州ウースター生まれのフィドリッチは1974年、20歳の時にドラフト10巡目(全体231位)指名を受けてタイガースに入団した。当時はプロに行ける実力があるとは思ってなかったらしく、ドラフト=Draftが徴兵を意味する言葉でもあることから、その報せを受けると『兵役に就くのか?』と焦ったそうだ。

【次ページ】 3年めにメジャー初昇格、大活躍。

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マーク・フィドリッチ

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