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南ア天才騎手&ガロアクリークに
ダブる、若きデムーロとあの名馬。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2020/03/27 07:30
皐月賞の出走権を獲得したガロアクリーク。生産は'08年にNHKマイルCと日本ダービーの変則2冠を達成したディープスカイを生んだ笠松牧場だ。
「ダイワメジャーと同じに」
初コンビとなったヒューイットソン騎手には何か指示を出したのか? と問うと、これには笑いながら答えた。
「(皐月賞の権利がとれる)3着以内には絶対に来てね、とだけ伝えました」
その鞍上が「調教に乗って状態の良さを感じた」と言っていた事を伝えると……。
「前走は少し太かったけど、今回はしっかり絞れてきましたからね」
実際、前走がデビュー以来最重量タイの506キロだったのに対し、今回は逆に最も軽い496キロ。鞍上がゴーサインを出してから反応良く動いたのも素軽い体になっていたからなのかもしれない。
改めてこの結果を受けて、上原調教師は厩舎の先輩馬の名を挙げながら語った。
「人気薄のスプリングSで権利を獲得して皐月賞というのはダイワメジャーと同じです。本番の結果も是非、メジャーと同じになって欲しいですね」
皐月賞と若き日のデムーロ。
2004年のダイワメジャーは11番人気のスプリングSで3着。ギリギリ権利を獲得すると、本番の皐月賞では10番人気の低評価を覆して優勝。その後、天皇賞・秋(GI)や安田記念(GI)を勝つほどの名馬に育っていった。
ちなみに皐月賞で手綱をとったのはミルコ・デムーロ騎手。前年にはネオユニヴァースで皐月賞と日本ダービー(GI)の二冠を制していたものの、当時の日本ではまだ短期免許を取得して売り出し始めた若手外国人騎手の1人だった。
現在のヒューイットソン騎手にそんなイメージがダブるのだが、果たしてこの後、鞍上鞍下ともどのような物語を展開していくのか。注目したい。