サムライブルーの原材料BACK NUMBER
イニエスタがいる「日常」の大切さ。
Jリーグ、無観客でも見ていたい……。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/03/24 07:00
今季開幕戦、試合前に握手を交わすヴィッセル神戸のイニエスタ(右)と横浜FCの伊野波雅彦。早くこの光景が戻ってきてほしい。
相撲が開催されているだけで何だか安心。
こんなにも大相撲中継をゆったりと見たのは初めてかもしれない。
無観客だろうが、雰囲気が寂しかろうが、相撲が開催されているだけで何だか安心できる。
横綱・白鵬はかち上げがどうだ、張り手がどうだと批判もされているが「これが俺の相撲」とばかりにやり切ろうとする姿を見ると、そこに「日常」を感じる。
ほかのスポーツがなかなか動いていない現状、テレビをつければ大相撲があるのは有難い。
イニエスタなら世界に希望を与えられる。
4月3日からの再開を目指しているJリーグは25日をメドに今後の方針を決定するという。感染拡大にストップが掛かっている状況だとは言えないため、観客を入れての通常開催は極めて難しいと思われる。
村井満チェアマンは無観客開催を「最終手段」としているため、再延期が次の選択肢となるだろうか。
筆者は感染拡大の状況にもよるが、「無観客開催」の可能性も探ってほしいという考えだ。
もちろん入場料収入を手にできないクラブへの救済策とセットになる話とはいえ、「日常にサッカーがある」ことは希望にもつながる。
サッカーは世界中にファンを持つ世界最大のスポーツ。プレミアもラ・リーガもセリエもブンデスも中断に追い込まれ、サッカーが動いていない。
世界のサッカーファンはJリーグを知らなくても、アンドレス・イニエスタなら知っている。
もし無観客開催でもイニエスタがヴィッセル神戸のユニフォームを着て、華麗なテクニックを見せてくれたら、国内のみならず、世界に希望を与えるのではないかとも思うのだ。