ブンデス・フットボール紀行BACK NUMBER
ブンデス史上初「幽霊試合」と、
長谷部誠&鎌田大地が感じた戸惑い。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2020/03/23 18:00
ELでは鎌田大地、長谷部誠らの奮闘によって結果を残していたフランクフルト。再開後に再浮上なるか。
両チームの選手が響き渡るだけ。
アイントラハトはその後第25節のアウェー、レバークーゼン戦も0-4で落とし、3月12日にホームのELラウンド16ファーストレグ・FCバーゼル戦を迎えたのですが、このゲームは先述したように無観客試合となりました。
つまり今回はスタンドの四方に関係者や警備員以外に誰も存在しない、まさに「ゴーストゲーム」となったのです。
アイントラハトのスターティングメンバーはGKケビン・トラップ、そして4バックは右からエンディッカ、アブラアム、ヒンターエッガー、トゥーレといつもの布陣。そして中盤はアンカーに長谷部が入り、その前にふたり並ぶ形でセバスティアン・ローデとジブリル・ソウ。そして3トップの形で右に鎌田、左にフィリップ・コスティッチ、そして最前線中央にはアンドレ・シウバが入りました。
現状ではこれがベストメンバーだと思いますが、ホームのアイントラハトは周囲がシーンと静まり返り、ピッチ内の両チームの選手から発せられる声だけが響く環境の中で苦戦を強いられました。
選手たちに覇気がなかった。
27分、バーゼルがサムエレ・カンポの左足での直接FKから先制。輪になって歓喜するバーゼルの選手たちの声だけがこだまします。後半に入った73分にはGKのロングフィードをきっかけにバーゼルのケビン・ブアが追加点をマークします。意気消沈したアイントラハトは85分に3対4の状況を作られてファビアン・フライにダメ押しゴールを決められ、総計3失点で正真正銘の完敗を喫しました。
このゲームで如実に感じられたのは、アイントラハトの選手たちの覇気のなさです。もとより直近のゲームも試合内容が悪かったのですが、それ以上に勝利への気概がうかがえなかったことが残念でした。やはり、普段はそこに居るはずのサポーターが寄り添っていなかったことの影響を深く感じずにはいられません。