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非常事態にルーニーもコラムで提言。
プレミア日程消化、最善策はあるか。

posted2020/03/23 11:30

 
非常事態にルーニーもコラムで提言。プレミア日程消化、最善策はあるか。<Number Web> photograph by Getty Images

サウサンプトンのホームスタジアムの電光掲示板にて。再び歓喜に沸く時を、フットボールの母国も待ちわびている。

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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 世界中でコロナウイルスの感染拡大が進む中、イングランドにもサッカーのない日々が訪れてしまった。

 3月13日、プレミアリーグ、フットボールリーグ(2~4部)、FAカップ、代表戦、そしてウィメンズ・スーパーリーグの試合に関し、ひとまず3週間の開催見送りが決定した。

 ここ「サッカーの母国」では、第二次世界大戦中以来となる“非常事態”である。当然、筆者にとってもスタジアムでの試合観戦はもちろん、テレビ中継もないシーズン中の週末は初めてだ。

 初体験の感想は、やはり妙な気分……。あって当たり前だった物がなくなってしまった。逆に我が家の愛犬2匹は満ち足りた気分でいたかもしれないが。

試合がなくなり、消えた予想布陣図。

 延期が決まった当日の夜、チャンピオンシップ(2部)3位フルアムと4位ブレントフォードのプレミア昇格を懸けた西ロンドン・ダービーを訪れる予定だった。その会場クレイブン・コテージにいたはずの時間の一部は、優に1時間を超えた散歩に割かれることになった。

 その散歩コースには毎週金曜日に小学生チームが対抗戦を行なうフットサルコートがあるのだが、この日は観戦する保護者が多いように感じた。ダービー観戦がなくなった地元のパパさんたちが、息子や娘の応援に駆けつけたのだろう。

 一夜明けた土曜日の新聞にしても試合自体がないのだから、いつものようにプレビュー記事や予想布陣図などがあるはずもない。

 スポーツ面のみならず第1面にサッカー関連の見出しが踊ることも珍しくない『サン』紙でさえ、ウイルス感染が確認された新生児の写真が、世界最年少の感染者として大きく掲載されていた。

 翌日の日曜紙もそうだ。リバプールが30年ぶりのリーグ優勝に王手を懸ける可能性があった、エバートンとのマージーサイド・ダービーにページが割かれたに違いない。それが『サンデー・タイムズ』紙のスポーツ・セクションは、通常より4ページ少ない全8ページに減り、しかも別刷りではなくなっていた。

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