プレミアリーグの時間BACK NUMBER
非常事態にルーニーもコラムで提言。
プレミア日程消化、最善策はあるか。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2020/03/23 11:30
サウサンプトンのホームスタジアムの電光掲示板にて。再び歓喜に沸く時を、フットボールの母国も待ちわびている。
欧州カップ戦争い、残留争いが……。
チャンピオンシップでは17年ぶりのプレミア復帰を目指す古豪のリーズが、2位ウェストブロムウィッチと1ポイント差ではあるが、前節を首位で終えている。
前節終了時点での順位をもって今季終了とするならば、リバプールの優勝には他のプレミア勢も同意することだろう。しかし欧州カップ戦への出場権争いとなると、その行方は微妙になる。
昇格1年目だが躍進中の7位シェフィールド・ユナイテッドは、2位のマンチェスター・シティが欧州カップ戦参戦禁止となれば、CL出場権を得る5位マンチェスター・ユナイテッドと消化試合数が1つ少ない状態で2ポイント差の位置にいる。
そして今季も数チームが団子状態のプレミア残留争いは?
ウェストハム役員の今季無効論が「利己的」と非難される理由は、自軍が降格圏までの距離が得失点差「3」しかない16位に落ちているからにほかならない。シーズンが途中で終わるようなことがあれば、巨額の放映権料をリーグに支払っている国内外のメディアも黙ってはいないはずだ。
下部リーグ勢への経済的支援策を。
3月19日に再び緊急会議を開催し、対応策の検討を続けているプレミアリーグの代表者各位には、今季終了を焦らない姿勢を求めたい。
緊急会議では4月30日までの中断延期を決めたが、ここはぜひシーズン再開を簡単に諦めないでほしい。それと同時に巨額の放映権収入やスポンサー収入を得ているプレミア勢と違い、入場料収入が途絶える打撃が大きい下部リーグ勢への経済的支援策を、具体的に考慮し始めてくれれば理想的だ。
新型コロナウイルスの影響によるサッカーのない日々は、この国の誰にとっても不安な未知の世界。だからこそ、その先には希望があるのだとも思いたい。
それは今季が最終節を迎えるという希望。普段のシーズンがそうであるように。「キープ・カーム・アンド・キャリー・オン」の精神に則って。