フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
クリス・リードを元コーチが悼む。
「彼は日本代表を誇りにしていた」
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byJamie Squire/Getty Images
posted2020/03/18 15:30
2018年、村元哉中(左)とのペアで平昌五輪に出場したクリス・リード。引退し、指導者としての道を歩みはじめたばかりだった。
「この先もずっと人々の記憶に残るでしょう」
「私は2014年から2018年の間、クリス・リードのコーチとして彼を指導するという素晴らしい体験に恵まれました。
2014年ソチオリンピックの後から2015年の世界選手権までクリスと彼の姉のキャシーを指導。そしてキャシーが引退してからは、村元哉中との組でした。
クリスは3度オリンピックに出場し、日本を代表していることをいつも誇りにしていました。スケートに対して情熱を持ち、アイスダンスを演じることに愛情を持っていました。彼がフィギュアスケートに残した素晴らしい業績は、彼の持っていたゴールを達成しようという強い意志の証にほかなりません。
彼は氷の上ではとても強く、ハンサムで、またアスリートとしてとても才能がありました。彼の長身、力強さ、素早さ、音楽性のある動きなどは、彼のチームに特別な個性を与えてくれました。
彼の感情と情熱、そして愛情を全て注ぎ込んだ演技は、この先もずっと人々の記憶に残るでしょう」(マリナ・ズエワ)
あまりにも早く私たちの元から姿を消してしまったクリス・リード。彼がこれまで日本のアイスダンス界に残してくれたものに感謝を捧げ、心からのご冥福を祈りたい。