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<ベイスターズをのぞいてみよう!>
ハマスタを熱く沸かせるチア集団。
text by
齋藤裕(Number編集部)Yu Saito
photograph byYDB
posted2020/03/17 20:00
約230人から選ばれたという「diana」の皆さん。笑顔とダンスでハマスタを熱く盛り上げる。
「一直線になっていない!」
実はこの日の練習前の2月の第3週、彼女たちはダンススタジオで1日8時間にも及ぶ練習を14日のバレンタインデーを含め計4度敢行。そのため金色のポンポンを持って行うダンスの振りの覚えやキレは皆、完璧だ。しかし横浜スタジアムの広いフィールドで移動も含めてリハーサルをしていくと、ズレも見えてくる。ダンスの最後にベンチ前で逆さの「ハ」の字を作り、選手を送り出す花道は一見完璧なように見える。
しかし観客席からスマホで録画しながら確認していたブランド統括本部エンタメグループ所属のdianaマネージャー・延原雅代さんがグラウンドに向かってこう告げる。
「キレイな一直線になっていない」。指摘を受け、最初からやり直しとなった。
「お願いします!」
dianaメンバーの声がスタジアムに響き、何度も練習を繰り返す。花道は並ぶ順番やメンバーの動線を変え、一応の完成を見た。休憩中もフリをより正確に合わせられるようメンバー同士で確認作業を行う。休憩後、ダンスを省略してまた花道を作り出す。なぜ同じ動きの練習をするのか。
華やかな印象とは裏腹に……。
「試合前にはいろんなイベントがグラウンド内で組まれますが、プレーボールの時間は絶対です。そのため、試合前短い時間しかない時に、その尺に合わせてどんな動きになるか、練習していたんです」(延原さん)
2020年メンバー全員で初めてのスタジアムでの練習となったこの日、全力疾走後にはダウンするメンバーの姿も。しかし、実戦まで数が限られているハマスタでの練習。ベンチで少し休んだ後に、合流し必死に動きの確認を始める。シーズン中は9連戦も控え、体力が求められる。球場で見せる華やかな彼女たちの印象とは裏腹にそれぞれのメンバーが時に苦しみながら努力を続けているのだ。