プロ野球亭日乗BACK NUMBER
CS中止ならシーズン143試合は可能。
プロ野球開幕は4月3日か10日までに。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/03/10 12:00
オープン戦は無観客で行われている(写真は東京ドームでの巨人対ヤクルト)が、球団経営を考えると公式戦まで無観客開催は難しい。
自分たちだけが先走るのは避けたい。
ある関係者からは「プロ野球にとっても公式戦の中止は大きな痛手。ただ親会社の規模も大きく、今シーズンの開催が不可能になってもプロ野球12球団は体力的には耐えられるかもしれない。しかし問題は地元企業などが支えていて入場料収入が大きな資源になっているJリーグの下部リーグではないか。公式戦の中止が決まればシーズン中に破綻するチームが出てくる可能性すらあるだろう」という話を聞いた。
そういう意味ではJリーグの方が深刻度は大きいのかもしれないが、いずれにしても自分たちだけが先走って公式戦を再開して批判を浴びるような形は絶対に避けたい。
そこでJリーグとNPBが共同歩調でリスタートの時期を模索するために設立したのが「新型コロナウイルス対策連絡会議」だったわけである。
球場での感染拡大対策が十分でない。
今回「連絡会議」の専門家チームが、まだ通常開催が難しいと判断した理由は2つだった。
1つは感染がいまだに広がっていること。そしてもう1つが球場での感染拡大対策が十分でない点だ。
中でも開催へのカギとなるのが、球場での感染拡大への対策ということになりそうだ。
プロ野球が開催にこぎつけるためには、最低限、数万人の来場者に対して検温を行い、大量の消毒液を毎試合準備する必要がある。
現状ではどの球団も3月20日に開幕した場合、連日の試合でそうした感染対策ができる目処は立っていない。そこが開幕延期の重要なポイントだった訳である。
逆に言えば今後、感染が爆発的に広がらない限り、球場での受け入れ態勢ができることが、公式戦開催にこぎつける1つの目処となるということでもある。