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CS中止ならシーズン143試合は可能。
プロ野球開幕は4月3日か10日までに。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/03/10 12:00
オープン戦は無観客で行われている(写真は東京ドームでの巨人対ヤクルト)が、球団経営を考えると公式戦まで無観客開催は難しい。
高額な特別席の販売は143試合が前提。
そうした準備期間を考えてJリーグの村井満チェアマンは「4月3日の再開を目指して全力を尽くして努力していくことを申し合わせた」と明確に期日を切って再開の目処を明らかにした。一方のプロ野球は明確な期日は切らなかったが「遅くとも4月中を目指したい」(斎藤コミッショナー)としている。
プロ野球の場合はチケット事業の柱となっているシーズンシートやボックス席など高額な特別席の販売が143試合を前提としている。そのため「143(試合)という数字はやりたい」(同)と開始が遅れても公式戦を全試合消化する日程編成を行う考えは12球団で一致している点である。
そうしたことを踏まえて3月12日には改めて日程編成会議を行いダブルヘッダーなども含めた対応策を協議するが、最大の焦点はクライマックスシリーズ(CS)の取り扱いとなるのだろう。
CSをやめれば3週間の時間的な余裕が。
今季は東京五輪開催で3週間強の公式戦中断期間があるためにただでさえ厳しい日程編成を強いられ、開幕を通常より1週間早め、全日程の終了を1週間遅らせていた。
予定では10月17日に全日程が終了。そこから1週間後の24日にCSが開幕してファーストステージとファイナルステージで2週間を使い、11月7日の日本シリーズ開幕までに約3週間の期間を設けている。
もしCSを取りやめれば、そこから逆算して3週間の時間的な余裕が作れることになる訳だ。
そこで通常通りに143試合を消化するためにはJリーグと同じ4月3日か、さらに1週間後ろの同10日がプロ野球開幕の有力な候補となっていくはずだ。
その時期なら臨時休校から春休みに入っていた全国の小中学校、高等学校も新学期が始まり、登校が再開される可能性が高いことも1つの後押しとなるはずである。