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CS中止ならシーズン143試合は可能。
プロ野球開幕は4月3日か10日までに。

posted2020/03/10 12:00

 
CS中止ならシーズン143試合は可能。プロ野球開幕は4月3日か10日までに。<Number Web> photograph by KYODO

オープン戦は無観客で行われている(写真は東京ドームでの巨人対ヤクルト)が、球団経営を考えると公式戦まで無観客開催は難しい。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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 新型コロナウイルスの感染拡大で、3月20日に予定されていたプロ野球の開幕が延期されることになった。

 Jリーグと共同設置した「新型コロナウイルス対策連絡会議」の専門家チームから延期が提言され、これを受けて行われた12球団の代表者会議で延期を決定。すでにプロ野球は2月29日以降のオープン戦全試合の無観客試合での実施を決めていたが、さらに踏み込んだ決定を余儀なくされることとなった。

「今回はそれ(無観客試合)以上に苦しい判断であった。選手はもとより、スタッフや家族を守り、何よりファンの方々のご理解、同時にプロ野球の文化も守らなければならない。そのための決断であることをご理解いただきたい」

 日本野球機構(NPB)・斎藤惇コミッショナーは苦渋の決定をこう語った。

無観客試合はあり得ない選択。

 新型コロナウイルスの感染拡大はスポーツ界にも様々な打撃を与えてきた。

 すでに2月21日に公式戦をスタートさせていたJリーグは、事態の悪化から2月25日に3月15日までの公式戦94試合の延期を決定。これに続いてプロ野球も翌26日にオープン戦全72試合の無観客試合での実施を決めている。

 ただ、その時点からいつ、どういう形で公式戦を行うことができるのか、ということが両者の最大の焦点だった。

 プロスポーツはエンターテイメント事業であり、ファンが球場に詰めかけることによって入場料収入があり、そこでの物販や飲食物の販売で基本的な事業が成り立っている。

 そう考えるとファン不在の中での無観客試合はエンターテイメントとしての意味をなさない上に、何より球団経営という側面からもあり得ない選択ということになる。

 そう考えるとこのまま感染拡大が完全に止まるまで公式戦を延期していたら、それこそプロ野球もJリーグも死活問題となるのは必至の事態なのである。

【次ページ】 自分たちだけが先走るのは避けたい。

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