アタマだけ届かず、よもやの2着。

　しかし、競馬は難しいし、分からない。

　馬群の中でレースを進めた日本の女王が、直線で外へ出された時には楽に突き抜けるかと思えたものの、そうはいかなかった。マイペースで逃げたフォーザトップを捉えるのに手間取っている間に、最後方から伸びて来たポートライオンズにかわされてしまった。

　最後はまた伸びたものの、結局、アタマだけ届かず。よもやの2着に惜敗してしまったのだ。

「寒い時期は走らないタイプなのでその点だけは心配していましたけど、正直、ショックな結果です……」

　橋田調教師はそう言って唇を噛みしめた。

マテラスカイも最後の最後で。

　メインのサウジカップの1つ前に行われたのがサウジアカップ（スプリント）だ。ダート1200メートルのこのレースには、日本のマテラスカイ（牡6歳、栗東・森秀行厩舎）を含む13頭が出走した。

　外より12番枠からハナを切って逃げたマテラスカイは、直線を向いても2番手に1秒以上の差をつけ独走するシーンを演出。ラスト100メートルでは完全に勝ちをモノにしたかと思えたが、最後の50メートルで急失速。最後の最後にニューヨークセントラルに僅かアタマだけ差されてしまった。

　マテラスカイの手綱を取ったのは、日本でも同馬の主戦である武豊騎手。日本の第一人者はこのレースの結果について、悔しそうな表情を見せて次のように語った。

「いやぁ～、惜しかったです。持ち味であるスピードを生かす競馬は出来たけど、外枠だったので先頭に立つのに少し脚を使ってしまいました。その分、最後に一杯になり、差されてしまいました」

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