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武豊が快勝、日本馬は1勝&2着2回。
未知のサウジ遠征は偉大な一歩だ。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2020/03/06 07:00
武豊は日本人騎手としてサウジアラビアで初勝利。新たな金字塔を打ち立てた。
フルフラットと武豊が刻んだ初勝利。
実に惜しい結果に終わったマテラスカイだが、その1つ前に行われたサンバサウジダービーカップ(ダート1600メートル)では、同じ森秀行調教師、武豊騎手のタッグで臨んだフルフラット(牡3歳)がこれ以上ない結果を残してみせた。
スタートを決めて好位につけると、終始絶好の手応えで3コーナーあたりからは次々と先行勢をパス。4コーナーでは早くも先頭に立ち、直線も終始セーフティーリード。最後まで危な気なく2着に2と4分の1馬身差をつけて快勝してみせた。
サウジアラビア競馬において、史上初めて日本人騎手として勝利した武豊騎手は満面の笑みでガッツポーズをしながら引き上げてきた。
「1つは勝ちたいと思っていたので嬉しい結果になりました。常にトライし続ける森調教師の馬で勝てて本当に良かったです」
今後はドバイへと転戦予定。
一方、森調教師は次のように語る。
「馬の状態は本当に良かったし、武君が上手にスパートして乗ってくれました。こちらのダートも合ったのだと思います」
フルフラットとマテラスカイの2頭はいずれも昨年の11月にはアメリカのブリーダーズCに挑んでいた。馬自身も海外への輸送を繰り返し、環境の変化への対応力がついていたのかもしれないし、陣営がそれなりのノウハウを身につけていったのは疑いようのないところだろう。
森厩舎の2頭はいずれもこの後、ドバイへ転戦する予定でいる。同じ中東で再び日本のファンが快哉を叫ぶシーンを作っていただきたい。