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鎌田大地、出場減も気骨のハット。
「他の人よりは我慢できる力が」
posted2020/02/28 11:50
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
鎌田大地の2020年がようやく始まったといえるかもしれない。
今季前半戦はフランクフルトの主軸としてほぼ全試合で起用されてきたが、冬の準備期間中に負傷した影響もあり、今年に入ってからの出場機会は激減していた。
これにはフランクフルトに大幅な変革が訪れたことも影響している。
監督のアドルフ・ヒュッターは安定感を取り戻すべく、後半戦に向けて3バックから4バックへシステム変更を決断。同時に中盤からはトップ下のポジションがなくなった。
ただじっくりとトレーニングできる時間を持てたことで、攻守バランスは整えられ、今ではやるべきことがしっかりと整理されている。
復調したフランクフルトは再び勝ち星をあげられているのだが、起用される選手の顔ぶれにも変化が見られる。パシエンシア、ローデ、ソウ、ダコスタ、長谷部誠、そして鎌田と、前期ピッチに立ち続けていた選手はベンチで出場機会を待つ立場を受け入れなければならなくなっていた。
健全なポジション争いはチームの地力をアップさせる。常にプレッシャーがかかる中で、勝利に貢献するために、自分のパフォーマンスをしっかりと引き出せなければならない。それを勝ち抜く者が、出場する権利を手にするというのはとてもフェアだろう。
ELザルツブルク戦で訪れたチャンス。
鎌田はブンデスリーガ第20節のデュッセルドルフ戦で2020年初スタメンを飾ったが、目立った活躍をできず前半だけで交代した。それだけに再び先発起用されたヨーロッパリーグ(EL)のザルツブルク戦は、何が何でもつかまなければならない大事なチャンスだった。
この試合にしてもガチノビッチが風邪で離脱していなければ、チャンスが訪れたかどうかはわからない。そのことは自身が誰よりもわかっている。
「ケガで出遅れていたのと、チームがいい流れの中でなかなか試合に出られてなかったので。今日よくなかったら、また時間がかかるだろうなと。今日が勝負だなと思っていた」