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J開幕戦で浦和サポが熱視線&歓声。
汰木康也という魅惑のドリブラー。
 

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林遼平

林遼平Ryohei Hayashi

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photograph byGetty Images

posted2020/02/24 11:50

J開幕戦で浦和サポが熱視線&歓声。汰木康也という魅惑のドリブラー。<Number Web> photograph by Getty Images

湘南との開幕戦、左サイドでのドリブル突破が光った汰木康也。再建を目指す浦和の切り裂き役として、ブレークなるか。

興梠も慮ったほどの“アシスト”。

「昨年からフォーメーションが変わり、自分の強みを最大限に出せるポジションでチャンスをもらえている。本当にこのチャンスを無駄にしたくないし、今年はサッカー人生をかけるような気持ちで臨んでいる」

 迎えた開幕戦。立ち上がりからエンジン全開だった。

 前半22分にはファーストタッチから中へ切れ込んでいくと、相手を2枚かわして右足を振り抜く。これは山形時代にチームメイトだったGK富居大樹の好セーブに阻まれたが、ゴールに向かう姿勢は明らかに去年までのものとは違った。

 そして、0-1のビハインドで迎えた前半39分に試合を動かした。この日左サイドで好連携を見せていたサイドバックの山中亮輔から、相手のウイングバックの背後にパスが出る。

「キャンプでずっと繰り返してきた形」から抜け出した汰木は、中央を見てマイナスのクロス。これを走り込んだ興梠慎三がGKに一度阻まれながらもさらにプッシュ。アシストにはならなかったが、チームに勢いを付ける同点ゴールをお膳立てした。

 この一連のシーンには興梠も「1発で決めないといけなかった。いいパスがきたし、(汰木に)アシストをつけてあげたかった」と慮ったほどだ。

ボールを持つだけで歓声が沸いた。

 その後も汰木は目に見える結果を目指し、最後まで果敢なドリブルを披露した。

 44分には山中のオーバーラップを生かし、急激な切り返しから中へカットインして右足のミドル。これも決まらなかったが、左サイドバックに入った山中や前線のレオナルドとのコンビネーションも随所に見られた。

 後半に入るとボールを持つだけで歓声が沸いた。期待値が高まっていたからだろう。

 特に顕著だったのは58分、左サイド高い位置で汰木がボールを受けたシーン。結果的に仕掛けず、山中を使うパスを選択したが、汰木に対する期待が音となってスタジアムに響いたのが印象的だった。

【次ページ】 試合をこなすごとにアイディアが。

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