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J開幕戦で浦和サポが熱視線&歓声。
汰木康也という魅惑のドリブラー。
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byGetty Images
posted2020/02/24 11:50
湘南との開幕戦、左サイドでのドリブル突破が光った汰木康也。再建を目指す浦和の切り裂き役として、ブレークなるか。
試合をこなすごとにアイディアが。
この日、汰木は76分間プレーし、交代を告げられた。得た手応えは、本人の話を聞けば明らかだった。
「試合をこなしていくごとにいろいろなアイディアが出てくると思う。いまは練習からもたくさん発見があるし、得点につながるようなバリエーションをどんどん増やしていけたらなと。
もっと攻撃的に行けると思うし、今日は守備に力を割く時間も結構多くなってしまったので、その割合をもっと攻撃に使えたら、さらに違うものが見えてくるのかなと思います」
楽しんでもらえるようなプレーを。
ただ、手応えはあっても満足はしていない。なぜなら数字として結果を残すことができなかったから。このままでは昨季と同じような状況が待っているのはわかっている。浦和の左サイドに“汰木あり”を納得させるためには、やはり結果が大事になる。
「チームの反撃となるプレーはできたと思うけど、ゴールが取れないのは本当に悔しい。やっぱり数字はすごくこだわりたいところ。サッカーで一番大事なことは、最後はそこだと思う。チームを助けるゴールやアシストはもっと増やしていかないといけないし、そこで自分は違いを出さないと生き残っていけない。
それプラス浦和の強みは攻撃でパワーを使えるところ、技術的にも攻撃的な選手がたくさんいること。自分もサポーターが見ていて楽しんでもらえるようなプレーを毎回意識しているので、それをゴールにつなげられるようにこだわってやっていきたい」
苦しんだ1年を経て、いまチャンスの時期を迎えている。普段の甘いマスクとは違う、キリッとした鋭い表情で言葉に力を込めた。
「昨年の悔しかった気持ちはちゃんと忘れないようにしたい。それに1年を無駄にしたとも思っていない。その思いを力に変えて1試合1試合、戦っていきたいと思っている」