野球クロスロードBACK NUMBER
名前を変えた理由は「ノリっす!」。
楽天・山崎幹史は三木チルドレン。
posted2020/02/24 09:00
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
Genki Taguchi
「幹」と書いて「つよし」とも読む。
楽天の山崎剛は、今季から登録名を「山崎幹史」へと変更した。
この決断に、山崎は「ノリっす、ノリ!」と、あっけらかんと答えたが「そんな簡単に登録名を変えないでしょ」と食い下がると、名に込めた想いを教えてくれた。
「強くなりたいなって。野球って体幹とか、いろんな部分で『幹』が大事じゃないですか。だから、その文字を入れたかったんですよ」
プロ野球選手にとって登録名を変えることとは、それまでの自分を変えるための「心機一転」や「勝負の1年」といったように、大きな意味を持つ。
山崎に関しては、後者の色が強い。
プロ3年目。これまでの一軍出場は通算で49試合と目立った成績を残していない。その山崎が今季、首脳陣から大きな期待を寄せられているのだ。
求める野球を体現できている成長株。
その筆頭が、昨年まで二軍監督を務めていた三木肇監督だ。
三木は「期待する選手は?」といった質問を嫌う。なぜなら、指導者として選手全員の活躍を願うのは当然であり、彼自身、そこで名を挙げることで、差別や区別をしたくないといった配慮を持っているからである。
二軍監督を務めていた昨年のことだ。
――期待するのは当然として、監督が求める野球を体現できている成長株を挙げれば?
質問の趣旨を変えて尋ねると、三木が真っ先に口にした選手が山崎だった。
「ファームでずっと試合に出ながら、打席の内容や走塁面も、コツコツと努力を重ねていった選手のひとりだったね」