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名前を変えた理由は「ノリっす!」。
楽天・山崎幹史は三木チルドレン。 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byGenki Taguchi

posted2020/02/24 09:00

名前を変えた理由は「ノリっす!」。楽天・山崎幹史は三木チルドレン。<Number Web> photograph by Genki Taguchi

日章学園高、国学院大を経て、2017年ドラフト3位で楽天に入団した山崎幹史。その走力で一軍メンバーの座を手に入れるか。

一番は興味を持つことじゃないですか。

 日々の成果を実戦で試す。

「ピッチャーより早く準備できていたか?」

 盗塁するたびに監督やコーチから聞かれる。成功しても、それができていなければ、構えから練習をやり直す。

 山崎は、それを「心と体の融合」と言う。

「感覚の世界っすよね。三木監督から『心にも体にも重心がある。それをコントロールできるように』って言われていたんですけど、最初は何のことかさっぱりわからなくて。

 でも、失敗してもどんどん走らせてもらうことで、だんだんわかってくるんですよ。『あ、今のは準備できてなかったからスタートが遅れた』とか。二軍では最後のほうは盗塁、失敗しなくなりましたもんね」

 山崎は昨季、イースタン・リーグで70試合に出場し、22盗塁を記録した。一軍では右肩の故障によってわずか16試合の出場に終わったが、数少ないチャンスでも4盗塁をマーク。27打数9安打、打率3割3分3厘と、打撃でもアピールした。

 自身の成長の要因、伸びしろについて、山崎はシンプルに断言する。

「一番は興味を持つことじゃないですか。走塁もバッティングも守備も、『もっとうまくなりたい』って思うから、いろんな練習を前向きにできるし。できないことができるようになったら、楽しいじゃないですか」

三木チルドレンの筆頭候補。

 言うなれば、山崎は「三木チルドレン」の筆頭候補である。

 その期待は、久米島での春季キャンプから顕著に表れていた。

 セカンドとショートが主戦場の山崎が、シートノックで外野も守っていたのである。それについて指揮官は、あくまで「オプションのひとつ」との説明に留めていたが、二軍監督時代から薫陶を受けてきている愛弟子は、すでに「構え」ができ上っていた。

「やるからにはどこでだって勝負したいし、競争を勝ち抜きたいからポジションは問わないです。今の楽天のメンツ、すごいっすけどね、負けたくないです」

【次ページ】 一軍で活躍しか考えてないっす。

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