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「個人昇格は大歓迎」と言い切る
J2山口・霜田監督の育成術、前編。

posted2020/02/22 11:50

 
「個人昇格は大歓迎」と言い切るJ2山口・霜田監督の育成術、前編。<Number Web> photograph by Norio Rokukawa

タイキャンプ中にインタビューに応じた霜田正浩監督。その育成法が、レノファ山口のクラブとしての立ち位置を確固たるものにしている。

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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photograph by

Norio Rokukawa

 2020年のJ2リーグは2月23日に開幕する。自動昇格は2枠、3位から6位までが参入プレーオフ行きと、J1昇格は今季も狭き門となる。それにレノファ山口も挑む。指導して3年目を迎える霜田正浩監督は、どのような青写真を描き、シーズンに臨もうとしているのか。話を聞いた。前編は今季J2への意気込みに、オフに視察したレバークーゼンとセビージャの練習や若き才能の育成術について。
 

――レノファ山口の今季のスローガンは「GO CRAZY 昇格へ狂いたまえ」です。ずいぶん攻めているなと感じました。

「攻めてるでしょ(笑)。サポーターがゴール裏で『諸君!! 狂いたまえ!!』という横断幕を出してくれているんだけど、もともと吉田松陰の言葉なんですよ。吉田松陰が松下村塾を作ったとき、周りから狂っていると思われるくらいの狂気を持って、自分の信じた道を突き進みなさい、という想いを込めて、『諸君、狂いたまえ』と言ったんです」

――その言葉から取ったと。

「山口県では、すごくポピュラーなスローガン。僕も松下村塾に行って、松陰神社を参拝してきたんだけど、それこそ幕末の人たちは狂ったように明治維新へと突き進んだわけです。僕らも狂ったように昇格を目指そうぜと。あと、山口県にゆかりのあるスローガンにもしたかった。山口県民にシンパシーを感じてもらえるようなスローガンにしたいと思って決めました」

選手を伸ばし、伸ばした選手を……。

――レノファの監督に就任して3年目を迎えます。今季のテーマは?

「サッカーの世界では、個人の力だけで勝敗が決することがたくさんあるけれど、そうした選手のいないチームがどうやって上に行くか。その方法論を1年目、2年目とずっと考えてきた。今いる選手をどうやって伸ばすか、伸びた選手をどうやってチームの力にするか、その2段戦法というか。

 40の選手を50に、60の選手を70に。それを全部足して人数分のトータルではなくて、プラスαを出すためにはどうしたらいいのか。そこから、チームビルディングをスタートさせるというのが今年のテーマですね」

――1年目は方向性を示すために極端なまでに攻撃的なサッカーにトライしました。それでスタイルが浸透したし、最終的に8位と結果も付いてきた。でも、2年目はバランスが崩れて安定した戦いができず、15位に終わりました。

「現実を突きつけられたという感じですね。甘く見ていたわけでもないし、過信していたわけでもないんだけど、うちのようなチームがトップ2に入るためには、もっといろんなことをやらなきゃいけないんだなと。去年は僕の甘さが出てしまった」

【次ページ】 引き出しを全部開けるつもり。

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