「神戸は1点穫れるチーム」

「神戸は失点を0で抑えていれば、1点獲れるチームというのを自分たちはわかっている。今日のように、なかなか自分たちがうまく攻められない難しい試合、どっちに転ぶかわからない試合で1点獲って勝つために、失点0で抑えるのが大事だということ。そういう意思疎通、イメージを共有して、どういう試合展開にしていくのかというのを、みんなが理解してやれたのは、チームとしてすごくよかった。

　こういう戦い方があるんだということをチームが理解できたと思う。さらに1－0で帰れるっていう結果を手にできた。こういう試合だったら、どういう戦い方をしたらいいのかっていうのを、チームとして経験になったのかなと思います」

　そんな酒井の言葉はもちろん勝ったからこそ言えるものだ。失点を重ねても、得点がそれを上回れば確かに勝てる。しかし、「うまくいかない」と感じる試合で勝ち点を手にするために、神戸は失点しないことを選択した。こういう勝ち方を身につけることは、ACLはもちろん、Jリーグを戦ううえでも重要だろう。

「あんなに喜ぶことはあんまりない（笑）」

　そして、今季3戦連発の古橋が得たものも小さくはない。

「ACL、海外でのアウェイというのも初めてで、緊張感があり、硬い試合になったなかで、90分間なかなかいいチャンスも作れず、全員で耐える時間が長い試合だった。最低でも勝ち点1を持って帰れればと思うなかで、チャンスは来るとも思っていた。

　そして、終了間際にチームを救うゴールを決めることができた。本当に、耐えて耐えて、耐えて、耐えた甲斐がありました。うれしさが爆発して、あんなに喜ぶことはあんまりないと思うんですけど（笑）。個人としては全然いいプレーができなかったので、あの1本でチームを救うことができてよかったです」

　新型コロナウイルスの影響で、中国のチームが参戦しないまま開幕したACL。日本勢はいずれも負けなしで第2節を終えた。快調な滑り出しと言ってもいいだろう。

　とはいえ、今後中国勢が参戦するイレギュラーなスケジュールがどう影響するのかは、未知数。そして、Jリーグが開幕すれば、疲労や怪我など、コンディションでの課題が出てくるかもしれない。それでも、決勝トーナメントでの日本勢対決が今から楽しみだ。