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空力の鬼才によるレッドブル新車。
今季こそ王者メルセデスを倒せるか。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2020/02/16 20:00
レッドブル・ホンダのニューマシン「RB16」。フェルスタッペンに王座をもたらすポテンシャルはあるか。
序盤につまずくも、コンセプトは変えず。
ところが、昨年のレギュレーション改定でフロントウイングの寸法が変更されたことで、同じ手法が使えなくなった。昨年の序盤にレッドブルがつまずいたのは、まさにそれが原因だった。このとき、優勝争いを繰り広げていたライバルであるメルセデスとフェラーリは、レッドブルとは異なる空力コンセプトでマシンを製作していたため、レッドブルほどの影響を受けていなかった。
しかし、ニューウェイはコンセプトを変えなかった。正確にコントロールできれば、レッドブルのコンセプトはメルセデスやフェラーリが採用したものよりもメリットが大きいはずなのだ。
2019年シーズンの失敗を糧に、ニューウェイは2020年を戦う新車RB16に「前傾姿勢」コンセプトを成功に導くためのさまざまな改良を行ってきた。こうして完成したRB16は、まさに「空力の鬼才」にしかできない独特なマシンに進化していた。
RB16の走りを見ていたチーム代表のクリスチャン・ホーナーは、次のように評した。
「いまや芸術の域だ」
次にRB16が登場するのは、2月19日からスペイン・バルセロナで開始される合同テスト。どんな走りを披露するのか、楽しみにしたい。