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大流血2冠防衛の生傷男・内藤哲也。
弟子・高橋ヒロムとの対決への思い。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2020/02/16 19:00
KENTAをの次は高橋ヒロムと対戦……内藤哲也の本当の狙いはなんだ?
内藤が「マンツーマンでみていた」高橋ヒロム。
内藤は2冠防衛を果たした直後、リング上から血染めの顔で高橋ヒロムの名を叫んだ。内藤の試合に先立ってリュウ・リー(ドラゴン・リー)を破ってIWGPジュニアヘビー級王座を防衛した高橋をリングに呼び寄せて、逆指名する形でシングルマッチでの対戦を迫った。
もちろん、これを高橋は快諾した。
「練習生時代の高橋広夢(現・高橋ヒロム)をマンツーマンでみていたのはボクですからね。はっきり言ってボクがいなければ、新日本プロレスに高橋ヒロムっていうレスラーは存在していないと思いますよ。それくらい練習生時代の高橋広夢は落ちぶれてましたね。その選手がデビューし、いまや日に日に存在感を増している」(内藤)
「『ああ、ヒロムとやるなら今だな』と思った」
内藤はそんな時代の高橋と自分を重ね合わせるように続けた。
「去年、ボクも目を怪我して、彼も一昨年ですか、首を怪我して、なんかやっぱり、このプロレスって危険と隣り合わせだし、いつ選手生命が終わってもおかしくない。それぐらいのことをやっているので、また来年、2年後、3年後にやろう、それじゃ、もしかしたら叶わないかもしれない。それじゃ遅いのかもしれない。彼もボク自身も大怪我をした中で、今やりたいことっていうのは今やらないと。
そう思った時に、『ああ、ヒロムとやるなら今だな』と思ったので、高橋ヒロムに『シー・オ・ノー?』(イエス・オア・ノー)って聞いてみました。そしたら、快く受けてくれたんで、やらない手はないでしょう。今、高橋ヒロムを感じずに、いつ感じるんだと。今、勢いに乗っている高橋ヒロムをオレは感じたいですね。そして、今の内藤哲也を高橋ヒロムに存分に味わってほしいです」