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棚橋&ライガー、思い出の入場とは。
武藤戦での涙と「3頭身」仮面?

posted2020/02/15 12:00

 
棚橋&ライガー、思い出の入場とは。武藤戦での涙と「3頭身」仮面?<Number Web> photograph by Shunsuke Mizukami

棚橋弘至と獣神サンダー・ライガー。新日本が誇る愛されレスラーは入場エピソードも最高だ。

text by

松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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photograph by

Shunsuke Mizukami

 リングアナが選手を呼び込み、一瞬の静寂到来。イントロが導火線となり、会場の温度が一気に上がる。自身のテーマ曲とファンの大歓声をBGMに、いざ戦場へ。

 新日本プロレスの絶対的「エース」であり、根っからの“プロレスファン”でもある棚橋弘至は、リングへ続く花道で過ごす時間をこう表現する。

「僕は入場曲を聴くと、その選手の姿が頭に思い浮かんでくるんですね。試合の画とか、必死に頑張ってる姿とか。それが入場曲の一番の魅力であり、入場曲を聴くとその選手の試合が脳内再生されるので、モチベーションや、やる気がすごく湧いてくるんですよ」

 Number997号では「プロレスと音楽の幸福な関係」をテーマに、棚橋が熱く語った。対談の相手は、1月に現役を引退したばかりの獣神サンダー・ライガー。ここでは、誌面で紹介しきれなかった、2人にとっての「忘れられない入場シーン」を紹介する。

武藤敬司とのタイトルマッチに泣きながら入場。

――リングへの入場シーンで思い出に残っている試合は。

棚橋 2009年の東京ドーム大会で、武藤敬司さんとタイトルマッチをやったときですね。僕は武藤さんの元付き人ですし、当時もスーパースターでしたから。'09年と言えば、まだ僕に対するブーイングも残っていた時期で。個性の塊のような武藤さんに、どう立ち向かっていくかを考え続けていて、あれほど緊張した入場はない。

 しかも、東京ドームの花道は長いから、ずっと緊張状態が続くんです。本当は、勢いよくがーっと出ていこうと思っていたんですけど、緊張が限界を超えて、感極まってしまって、泣きながら入場したんですよ。あのときの気持ちは、今でも忘れられない。映像を見返しても、当時の入場曲である『HIGH ENERGY』が、ロックミュージックなのに切ない曲調に聴こえるんです。

ライガー 棚っちょ(棚橋)は、喜怒哀楽がはっきりしているもんね。それが、ファンに愛される1つの理由だと思う。嬉しいときは「やったー!」って表現するし、悲しいとき、寂しいときは、思いっきり泣く。そういう喜怒哀楽が試合にも出ていて、ファンも感情移入できる。それは、魅力の1つだと思うよ。

【次ページ】 ライガーにとっての「最悪の入場」。

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