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53歳のカズがJ1に戻ってくる――。
各クラブの「チーム最年長」は誰?
posted2020/02/16 09:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Getty Images
2020シーズンのJリーグは、2月16日のルヴァンカップで幕を開ける。
リーグ戦に先だってJリーグカップが行われる――1993年のJリーグ開幕前年に行われたヤマザキナビスコカップ(当時)をふと思い出した。
大会MVPに輝いたのは、カズこと三浦知良。そのカズが2007年以来、久々にJ1の舞台に戻ってくる。負傷によってリーグ開幕戦の出場は難しいという報道もあるが、今季どこかで出場となれば、スポーツの枠を超えたビッグニュースとして扱われることだろう。
ここ数年はカズが出場ないしゴールを決めると、日本だけではなく世界のメディアでも報じられるようになっている。最近の報道を見ても、こんな感じ。
「ミウラが横浜FCと契約を更新。52歳になった今もプレーを続ける!」(マルカ紙)
「日本のストライカー、カズヨシ・ミウラは究極のエバーグリーンな選手だ」(BBC)
こう報じられるようになったのは、動画配信によって各国でJリーグが目にできるようになったことが要因だろう。カズやイニエスタだけでなく、遠くスコットランドの地で、「おお、シュンスケ・ナカムラは今もプレースキックでファンを魅了しているのか」なんて話題になるかもしれない。
カズ、中村俊輔擁する横浜FCの昇格で、今季のJ1リーグはベテランプレーヤーにスポットライトが当たると予想する。では、各クラブの最年長選手は誰なんだろうか?
2月11日時点での登録を見ると、「チーム最年長」の中でのトップ5は、こうなる。以下、年齢はすべて2020年に迎える年齢である。
中村憲剛も今季で40歳。
三浦知良(横浜FC)
53歳/1967年2月26日
曽ヶ端準(鹿島)
41歳/1979年8月2日
遠藤保仁(G大阪)
40歳/1980年1月28日
中村憲剛(川崎)
40歳/1980年10月31日
西部洋平(清水)
40歳/1980年12月1日
「チーム最年長」の縛りからは少しずれるが、横浜FCにはカズのほかにも「あれ、このベテランが」という名前が多い。
中村俊輔(42歳/1978年6月24日)、南雄太(41歳/1979年9月30日)、松井大輔(39歳/1981年5月11日)、レアンドロ・ドミンゲス(37歳/1983年8月24日)、イバ(35歳/1985年5月21日)、伊野波雅彦(35歳/1985年8月28日)が「OVER35」の面々だ。
彼らが10~20歳以上も年齢が違う選手たちよりも序列で上回れるか――その意欲にあふれていること自体に、頭が下がる。
Jリーグが誇る東西きっての二大プレーメーカー、遠藤と中村憲もついに不惑である。ただ2019年の2人を見る限り、その視野の広さから繰り出すパスはいまだ一級品だ。中村憲は昨季終盤戦に左ひざ前十字靭帯を損傷してリハビリからのスタートとなるが、夏場以降にはきっと、川崎らしいパスワークの中心に加わっているはず。
後ほど出てくる阿部勇樹も含めて、これだけ長く選手生活を送っていることは、ぜひ指導者として教えを説いたイビチャ・オシムにも届いてほしいものである。