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スパイクを脱いだ小椋祥平。
「マムシ」の下剋上はこれからも。
~略奪系ボランチの代表格~
posted2020/02/15 18:00
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Getty Images
大河ドラマ「麒麟がくる」で斎藤道三を演じるモックンの怪演ぶりが話題になっている。「マムシ? 誰がっ!」と舌なめずりするシーンに思わず背筋が凍った。
狙った獲物は必ず仕留めてみせる。Jリーグで「マムシ」の異名を誇る小椋祥平が引退した。美濃に近い甲斐すなわちJ2ヴァンフォーレ甲府で昨季もチーム最多タイの41試合に出場して働きまくったものの、契約非更新となった。まだ34歳。年が明けてもJ1、J2のクラブからオファーがなかったため、スパッとスパイクを脱ぐ決心を固めた。
味方からすればこんなに頼もしいヤツはいなかった。一度狙いを定めたら相手にキバをむくようにして食らいつき、ボールを奪い取る“略奪系ボランチ”。躊躇や遠慮は一片もなく、ボールを一気に呑みこむ術は相手に怖れられてきた。