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西武期待の新サブマリン、與座海人。
牧田和久から継ぎ、高橋礼を追う。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2020/02/15 11:30
13日の紅白戦で登板した與座は、森や山川など打者8人を無失点に抑えた。
託されたアンダースローの系譜。
「今、肘は全く問題ないので、そこを気にせずしっかり投げられているのはよかったと思います。ただ、ピッチング全体の仕上がりには、もう少し時間がかかるかなと思っています。まずはストレートだけではなく変化球も、キャッチャーが構えているところにしっかり投げることを意識して練習しています」
初めての一軍キャンプは「投内連係も一軍の選手ばかりで緊張感がある」。入団直後から肘痛に悩まされてきただけに「何よりも、投げられることが楽しいです」と笑顔で語った。
ずっと参考にしてきたという牧田とは、ちょうど入れ違いで、同じユニホームを着た時期はない。しかし、牧田がアメリカに行く直前、偶然会う機会があった。與座が新人合同自主トレーニングで二軍の施設にいたときのことだ。
パドレスへの入団が決まった牧田は、渡米する直前、西武の施設を借りてトレーニングに励んでいた。偶然、顔を合わせた2人は30分ほど立ち話をしたと與座は振り返る。
託されたアンダースローの系譜。
「挨拶をさせてもらったときに、いろいろなアドバイスをいただきました。技術的なことはもちろんですが、印象に残っているのは牧田さんに『今までは僕を参考にして、プロまで来たけれど、これからは與座が誰かに目指されるようなアンダースローになってほしい』と言われたことですね。そして『ライオンズに1人しかいないアンダースローなのだから、もっと與座の色を出していってほしい』と励ましていただきました」
ライオンズ時代、自身のアンダースローを「絶滅危惧種」と表現した牧田は、そのアンダースローへのこだわりと誇りを後輩である與座に託した。