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平泳ぎ100m、200m五輪代表は?
新星の登場で四つ巴の大混戦に。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byGetty Images
posted2020/02/02 19:00
昨年4月の日本選手権で平泳ぎ200mの表彰台に上がる(左から)小日向一輝、渡辺一平、小関也朱篤。
大学1年18歳の佐藤が一躍注目を集める。
大学1年で18歳の佐藤は、1月26日、北島康介杯で渡辺らを退け、優勝を果たす。
しかもこの時期にもかかわらず、世界上位もうかがうことができる200m2分7秒58のタイムだ。一躍、注目を集めることになった。
このように、特に200mは、激戦の様相を呈している。
それぞれに、東京五輪にかける思いもある。
日本のお家芸で負けるわけにはいかない。
渡辺は昨年の世界選手権に、金メダルを目標に臨んでいた。
レースプラン通りの泳ぎを実行し、タイムも自身が保持していた世界記録に近い2分6秒73の好タイム。しかし、海外の2選手はより速かった。優勝したアントン・チュプコフ(ロシア)には、世界記録を塗り替えられた。
確実に成長した手ごたえはあっただけに、目標に届かなかったことの悔しさはなおさらだった。
「(2017年の世界選手権銅メダルと)また同じ場所に立っているのは、すごく、すごく悔しかったです」
だからこそ誓い、進んできた。
「東京オリンピックでは、日本のお家芸の200m平泳ぎで負けるわけにはいかないと強く感じています」
小関にとっては、リオは苦さを残す舞台だった。
100mに続く2種目めの200mは途中まで、世界記録を上回る積極的な泳ぎを見せ、150mまでトップを進む。だが残り50mでペースダウン、メダルを逃すことになった。
「うーん」
レース後、長い沈黙が続いた。ようやく出たのは「何て言えばいいですかね」だった。