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鹿島が失ったACLのタイトル。
「決勝戦に負けたのと等しい」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2020/01/29 11:55
こののスタメンで生え抜き選手は土居聖真ただ1人だった。鹿島は変わっていく、しかし変わってはいけないものもあるはずだ。
内田篤人「失ったものは大きい」
監督の求めるサッカーを体現できたとポジティブに捉える選手もいたが、三竿は「内容も悪いし、結果も悪い」ときっぱり言った。
「映像を使ったり、組み立ての練習である程度こういうふうに動かすというのはあったけど、大きなピッチでの練習もやっていなくて、今日は前との距離感を遠く感じてしまった」とも振り返っている。メルボルンとの大一番の前には、親善試合をする時間的余裕もなかったのだ。
土居や三竿、そして犬飼智也は、短い準備期間というハンデを認めようとはしなかった。内田篤人もその1人だ。
「チャンスがいっぱいあって、入らない試合は負けちゃう。今日はそういう試合じゃない? でも、『そういう試合じゃない?』で、片づけられないんだけどね、今日の試合というのは。
失ったものは大きい。チーム立ち上げの最初の試合という中でも、今までは勝ってきたから。一発勝負は強いっていうチームだったしね。俺は試合に出てないから言えないけど、自分たちがどうリアクションしなくちゃいけないかっていうのは、出ていない俺らがやらなくちゃいけないと思う」
そしてこう続けた。
「すごい雨にもかかわらず、今日もゴール裏にはいっぱいお客さんが入ってくれて。本当に感謝しているし、同時に申し訳ない。最後スタンドへ挨拶へ行ったとき、ブーイングじゃないというのが悲しかった。鹿島は負けて頑張れよって言われるチームじゃないから、ちょっと悲しかった。でも、そういうふうになっちゃったのが申し訳ない。
ただ、僕はサポーターの厳しい眼があって成長できたし、選手はそうやって育つから。他のチームから来た選手もいるし、若い選手も見ているからね。厳しい眼であってほしいという気持ちはある」
三竿「ブーイングされて当然の内容だった」
三竿もいう。
「拍手とか起こってましたけど、逆にその拍手に対して申し訳ないですし、ブーイングをされて当然の内容だったので、そういうふうに気を使わせてしまって、申し訳ないなと思います。
期待もその拍手には込められていると思うので。その拍手を裏切らないように。みんなでもっと精度を上げて、チームがひとつになって精度を上げていきたい」