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失意の五輪落選直後に全日本制覇。
卓球・早田ひな「限界は作らない」。
 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2020/01/26 20:00

失意の五輪落選直後に全日本制覇。卓球・早田ひな「限界は作らない」。<Number Web> photograph by AFLO

今月19日、初めて全日本選手権の女子シングルス決勝に進出し、優勝を決めた早田。

モチベーションをどう保つか。

 世界ランキングでは日本勢の中で6番目と後れをとっていたが、昨年の世界選手権で伊藤と組んで準優勝したのをはじめ、ダブルスで実績を残してきたこともあり、ランキングで自動的に決まるわけではない団体戦メンバーの候補として、早田の名前も挙げられていた。

 だが、選ばれることはなかった。

 長期間にわたり、ランキングの順位を上げて代表入りを果たすために休むことなく世界中の大会に出場し、競争を続けてきた。

 どの選手であれ、その間は心身ともに消耗を強いられている。むろん、早田もその1人だ。最後に待っていた落選という結果がもたらすダメージは、普通であれば決して小さなものではない。

 それから1週間で迎えた大会だから、失意の中にあっても不思議ではないだろう。モチベーションをどう保つか、上げていくか、容易ではない。

食事の時間を削り、深夜まで練習。

 ただ、早田は違った。

 代表から落選したことを知ったとき、決意したという。

「限界を作らないようにしよう」

 思うだけでなく、即座に行動に移した。

 食事の時間を削り、深夜まで練習に打ち込んだという。

 ただがむしゃらに取り組むだけでなく、プレーの面も見つめ直した。その成果が、「70パーセント」の心がけに表れている。

 根底には、「どう変わっていけるか、挑戦したい」という思いがあったという。

 そこには、もっと成長していける、という自分への思い、信念が込められているように感じられる。限界を作らない、という言葉もまたそう思わせる。そこに、芯の強さも見て取ることができる。

【次ページ】 貪欲に、前を向いて。

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