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期待の19歳アペルカムプ真大カール。
デュッセルドルフで“その時”を待つ。
posted2020/01/26 11:40
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
Getty Images
ウィンターブレイクが明け、ドイツ・ブンデスリーガが再開しました。再開初戦で僕が取材したゲームはフォルトゥナ・デュッセルドルフvsベルダー・ブレーメンの一戦です。
前半戦終了の段階でデュッセルドルフは16位、ブレーメンは17位。ともに入れ替え戦、もしくは降格圏と大苦戦中。つまり正真正銘の“裏天王山”なわけで、別の意味で熱気を帯びそうなカードでした。
デュッセルドルフという街をご存知でしょうか。「ドルフ」はドイツ語で「村」の意味。つまり「デュッセル村」。また「デュッセル」とは、街中に流れているライン川の支流「デュッセル川」をさしています。
そんなデュッセルドルフは、日本人にゆかりのある地でもあります。
ノルトライン・ベストファーレン州の州都であるデュッセルドルフにはヨーロッパ最大と言われる日本人街があり、約400もの日系企業がオフィスを構えており、駐在者を含め約7000人の日本人が暮らしていると言われています。
日本に馴染み深いデュッセルドルフ。
そういえば日本へ帰国した際にテレビを見ていたら、「乃木坂46」の生田絵梨花さんが自身の生誕地をデュッセルドルフだとおっしゃっていました。
生田さんが生まれた時期にお父上が日本企業にお勤めで、デュッセルドルフへ赴任していたとのこと。彼女のようなケースは結構多いと思われます。要するに、デュッセルドルフは日本人にとっては馴染みのある街と言えます。
なので、デュッセルドルフ中央駅では日本人との遭遇率が高まります。市内中心部にはユニクロもありますし(僕の住むフランクフルトにはありません……)、日本食材を扱うお店やラーメン屋さん、居酒屋さんなどが建ち並ぶインマーマン通りというストリートをそぞろ歩くと、まるで日本の街がそのままドイツに移ってきたかのような錯覚に陥ります。
ここにいれば美味しい日本食を頂けますし、日本特有の野菜や納豆などの加工品も容易に手に入ります。
現在、ヨーロッパで活躍する日本人プロサッカー選手たちが友好を深める様子をSNSで度々発信していますが、その場所がデュッセルドルフであることが多いのも納得できます。
かつてフォルトゥナに在籍していた原口元気の奥様は、「デュッセルドルフは便利!」とおっしゃっていました。家族と共に移り住む日本人サッカー選手にとっては、そのような住環境もプレーするうえで重要なファクターになるのかもしれません。