熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
レアルが獲得した18歳レイニエール。
ドリブルはカカ、決定力はロナウド級。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byZUMA Press/AFLO
posted2020/01/22 19:00
コパ・リベルタドーレス杯を制したフラメンゴで活躍した18歳レイニエール。憧れのマドリーで輝く日は訪れるか。
憧れの選手はジダンとカカ。
ブラジルの首都ブラジリアの生まれ。父マウロはフットサルの名選手で、ブラジル代表でも活躍し、1985年にスペインで行なわれた世界選手権で優勝している。
歩けるようになるとすぐに父親から手ほどきを受け、技術はもちろんのこと、プロ選手になるための心構えを叩き込まれた。憧れの選手は、ジネディーヌ・ジダン(現レアル・マドリー監督)とカカだった。
12歳でフラメンゴの下部組織に入団し、各カテゴリーで中心選手として活躍。年齢別のブラジル代表の常連で、昨年の3月から4月にかけてペルーで行なわれたU-17南米選手権に出場してチーム最多の3得点をあげた。
その後、フラメンゴのトップチームに昇格。7月31日、コパ・リベルタドーレスのエメレック(エクアドル)戦でデビューし、9月7日、ブラジルリーグの試合で初得点を記録した。
議論を呼んだU-17W杯の招集拒絶。
昨年10月から11月にかけてブラジルで開催されたU-17W杯にも招集され、エースとしての働きが期待された。しかし、フラメンゴが「コパ・リベルタドーレスと国内リーグの優勝を目指す大事な時期に、絶対に欠かせない選手」と言い張って招集を拒絶した。
当時、フラメンゴは痛烈に批判され、「17歳の選手が南米王者を目指すチームに本当に不可欠なのか」という懐疑的な声もあった。しかし、U-17W杯期間中、7試合に出場してチームの勝利に直結する2得点をあげ、本当に「絶対に欠かせない選手」であったことを証明してみせた。その後も、ブラジルリーグ終盤の試合で貴重な働きを続けた。
こうして昨年後半、リバプール、マンチェスター・シティ、アーセナル、パリ・サンジェルマンといった欧州ビッグクラブからオファーが殺到したが、「子供の頃からのマドリディスタ」と語る本人がレアル・マドリーを選んだのである。
ただし、まだ18歳になったばかりで、克服すべき課題がいくつかある。
その最大のものは、試合経験の不足だ。