熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
レアルが獲得した18歳レイニエール。
ドリブルはカカ、決定力はロナウド級。
posted2020/01/22 19:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
ZUMA Press/AFLO
1月20日、レアル・マドリーが新たな才能を獲得した。
その前日に18歳の誕生日を迎えたばかりのフラメンゴの大型アタッカー、レイニエール・ジェズスの入団を発表したのだ。
契約期間は2026年6月末までの約6年半で、移籍金は推定3000万ユーロ(約37億円)。現在、コロンビアで行われているU-23南米選手権(上位2カ国に東京五輪出場権が与えられる)に出場しており、“白い巨人”に合流するのは大会終了後の2月となる。
本人は、「世界一のクラブに入団できてとても幸せ」と満面の笑顔。「クラブの歴史に名前を刻みたい」と抱負を語っている。
2018年のビニシウス・ジュニオール、2019年のロドリゴに続いて、3年連続で18歳のブラジル人アタッカーがこの超名門クラブの門を叩く。
ただし、レイニエールは基本的にドリブラーである先輩2人とは少しタイプが異なる。ピッチの中央でプレーすることを好み、主として攻撃的MF、セカンドストライカー、あるいはCFのポジションを担う。
身長185cmと大柄にして屈強。その反面、繊細なテクニックを備え、敏捷で、なおかつ決定力が高い。
3000万ユーロ程度はバーゲン。
縦方向への鋭いドリブルはカカ(元ミラン、レアル・マドリー他)を、トリッキーなドリブルやヒールキックはロナウジーニョ(元バルセロナ、ミラン他)を、パワーと決定力はロナウド(元バルセロナ、レアル・マドリー他)を、そして抜け目なさはロマーリオ(元バルセロナ他)を彷彿とさせる。ヘディングによる得点も多い。
状況判断も優れており、ゴールから逆算して最適のプレーを選択できる賢さがある。
昨年7月に彼をトップチームでデビューさせたフラメンゴのポルトガル人指揮官ジョルジ・ジェズスは「素晴らしい才能とインテリジェンスの持ち主。同世代の選手より5年先を行っている」と称賛。「これほどの逸材が3000万ユーロ程度とは安い。バーゲンだろう」と冗談交じりに語っている。