“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
湘南内定から一転、スイス移籍へ。
18歳FW若月大和の野望、独占告白。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2020/01/28 19:00
悩みながらも欧州移籍を決断した高校3年・若月大和。世界も注目するスピードスターはどんな道のりを歩んでいくのか。
18歳が見据える「W杯」。
なぜ、ここまで海外にこだわるのか。そこには若月が持つ未来予想図があった。
「僕の目標はいち早くA代表に入って、W杯に出ることなんです。今、A代表の主軸メンバーのほとんどが海外に拠点を置いてプレーしている。Jリーグの選手でも活躍する選手はいますが、いざ中心選手となると、ほとんど全員が海外組。夢からの逆算をした時、日本じゃなくて海外でやることが大事だと思っています」
もちろん待っているのはバラ色の人生というわけではない。リスクは当然ある。現在のA代表のほとんどが海外組であることは間違いないが、全員がJリーグを最低でも1、2年は経験している選手たちだ。逆に高校卒業後にすぐに海外へ渡った選手でA代表に定着している選手はいない状況である。
久保、西川らを追い越すために。
「その事実は知っています。Jリーグを経験するべきという声も多いと思いますし、それも理解できます。だからこそ、かなり大きな決断になりました。その中で僕の長所って何かと言われたら、メンタル的に何があっても折れずにがっつける性格だと思っています。
サッカーの実力で言えば、僕は周りより遥かにレベルが低いというか、西川潤や久保建英選手(マジョルカ)といった同級生がいて、上には上の選手がいる状況。年代別代表に入る時期も遅かったけど、こうして悩める立場になったのは、どんな時もミスを恐れず、自分のスピードとがむしゃらさを出すことを怠らなかったから。
その自負がありますし、潤や久保選手に追いついて、追い越すためにも、もっと自分の成長速度を上げるために海外に行く。言葉の壁もそうですし、文化や逆風に臆することなく、チャレンジしてチャンスを掴むという気持ちはこれまでと一切変わりません。
それをやり続けることで、上を歩いている選手に食らいついて、いつかは逆転できると信じているんです。この歳で海外に渡って、目標を達成できると信じています」
すべては自分次第。前例は関係ない。