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五輪世代のヤンチャ坊主・邦本宜裕。
復活を支えた韓国のヤンキー先生。 

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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photograph byGetty Images

posted2020/01/15 11:50

五輪世代のヤンチャ坊主・邦本宜裕。復活を支えた韓国のヤンキー先生。<Number Web> photograph by Getty Images

日本でかなりヤンチャだった邦本宜裕。元慶南FC監督のキム・ジョンブ氏のもとでチームのエースにまで育った。

「慶南FCにほんとに感謝しています」

 昨年のACL鹿島戦の前日、キムのほうに事実確認を行った。確かに手紙を手渡したという。

「日本語の手紙でしたよ」

 え? 監督、日本語が分かるんですか? と思わず聞き返してしまった。

「どうやったかって? 言いたいことを韓国語で書き、ネットで翻訳して、プリントアウトしたんですよ! 文法やスペルはめちゃくちゃだったかもしれません。でも言いたいことは伝わったと思うんですよね」

 やさぐれていた邦本の気持ちを変えたのは、同じく過去に傷を負った監督による、「しつこいぐらいの関わり」だった。つまり、愛だ。

 しかし両者の蜜月は2年で幕を閉じた。キム率いるスモールクラブはクラブ史上初のACL出場に備え、ターンオーバー制を敷けるほどの補強を行った。ところが身の丈に合わない補強は実を結ばなかった。序盤に力を注いだACLでグループリーグ敗退。するとリーグ戦でも最後までエンジンがかからなかった。

 慶南はレギュラーシーズン後のプレーオフの結果、2020年シーズンからの2部降格が決定したのだ。キムは「全ては自分の責任」とクラブを去り、そして邦本はビッグクラブへの躍進を果たした。

「僕を2年間育ててくれた慶南FCにはほんとに感謝しています」

 SNS上でこうコメントを発した。月並みな言葉だが、本心だろう。

 邦本はこのハチャメチャながら熱い手紙を、今も自宅に保管してあるという。

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