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イップス、衝突、安英学の助言。
マリノスGK朴一圭「勝負は2年目」
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byKim Myung Wook
posted2020/01/22 20:00
シーズン終了後、インタビューに応じた朴。松永コーチの指導のもと成長を続けたGKは、マリノス優勝に大きく貢献した。
インパクトを与えたGK朴のプレー。
出番は予想よりも早く巡ってきた。J1デビューを果たしたのは2019年3月29日、ホームの日産スタジアム(第5節・鳥栖戦)で先発メンバー入りした。この時は妙に落ち着いていたという。
「大分に敗れた後の練習から監督がずっと自分に付きっきりで見てくれる日が続いたんです。もしかしたらスタメンもありえると思っていたので、しっかり準備はしていました。それもあってデビュー戦は緊張はそこまでしませんでしたね」
最後に聞いてみたいことがあった。何度も挫折を繰り返しながらもあきらめず、ここまで来られた要因は何なのか。
「誰が見ているかわからないところでも全力で取り組む姿勢を忘れずにいたこと。練習も試合も本当に誰が見ているかわからないんです。それに子どもたちに夢を与えたいっていう気持ちが根底にあって、それが一番の支えになっていました。
もう1つはただサッカーが好きっていう気持ちですね。サッカーをやめる自分が想像つかないし、もっと上手くなると自分は信じていました。俺は絶対にやれると、変に自信があったんです。今は下手だけれど、練習を重ねればうまくなるし、自分しかないパーソナリティーを持っていれば、必ずどこかで上手くなれるという自信があったんです。だから最後まで諦めきれなかったんだと思います」
もちろんこれからもサッカー少年たちの道しるべになるサッカー選手でありたいと思っている。朴が前に飛び出して相手の攻撃の芽をつむプレーをスタジアムで目の当たりにしたサッカー少年もきっと多いはずだ。そういう意味では1年目に与えたインパクトは十分。あとは実績を積み重ねていくだけだ。
連覇、ACL……「勝負は2年目」。
2020年はJリーグ2連覇という目標のほか、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)にも出場することになる。スケジュール的にはハードな1年になるのは間違いない。
「とにかく監督が求めているサッカー、目指しているサッカーを体現することが課題です。そこに着目してやることが、選手としてもチームとしても成長することになるのだと思います。その結果がリーグ連覇なのか、天皇杯なのか、ACLなのかはわかりませんが、必ず結果に繋がってくると思います。何度も言いますがJ1での1年目はいろんな運やめぐり合わせが自分にはあった。だから勝負は2年目です」
根拠のない自信を持ちながらも、慢心はない。常に全力の“パギ”は今季も実力で“運”を手繰り寄せるに違いない。