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誰からも好かれるアンチェロッティ。
中位で喘ぐエバートンの再建なるか。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2020/01/10 11:40

誰からも好かれるアンチェロッティ。中位で喘ぐエバートンの再建なるか。<Number Web> photograph by Getty Images

エバートンのテクニカルエリアに立つアンチェロッティ。世界的指導者がまた1人、プレミアの舞台に帰ってきた。

「完璧な監督人事」であるからこそ。

 クラブ経営陣はアンチェロッティの招聘を「完璧な監督人事」と表現している。確かに求職中だった顔ぶれの中で、最高の経歴を持つビッグネームである。ならばなおさら、補強予算を増やすための人員整理と、その予算の使い道に関して新監督の意向を汲み入れようと努めるべきだ。

 指揮官が後ろから繋ぐスタイルを取り入れるのであれば、リバプール戦で敵の餌食になったホルゲート、ジェリー・ミナ、ベンチにいたマイケル・キーンといったCBよりも、確かな足元の持ち主を獲得する必要がある。

 現時点でマージーサイドにおける「完璧な監督人事」は、リバプールにおける5年前のクロップ就任に他ならない。監督の志向に沿った戦力が徐々に整えられており、現行契約が満了する2024年までの体制継続が容易に想像できる。

 一方、同年までの契約でスタートしたエバートンは今冬の補強次第で、新監督がクラブに愛想を尽かすか、その態度をフロントが嫌えば、短期に終わるシナリオも現実的かもしれない。

 3月にはグディソン・パークでのマージーサイド・ダービーが待っている。その試合をエバートンがどのような状況で迎えるのか。そんな野次馬的な興味が芽生えているのも、後半戦での成り行きが注目される理由ではあるのだが……。

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