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内藤哲也の東京ドーム大合唱が消滅。
オカダに勝利も伏兵のKENTAが悪行。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2020/01/06 17:15
輝く東京ドームのマットに2本のベルトを並べ「ノスオトロス、ロス・インゴベルナブレス……」まで叫んだ内藤哲也。
オカダも称えた内藤の強さと覚悟。
「ボクがIWGP持っていて、飯伏(幸太)さんがG1のチャンピオン、ジェイはインターコンチのチャンピオンで、内藤さんは何も背負うものはなかったのかなと思うんですけれど……今日戦って、あれだけの歓声、あれだけの期待を背負って戦ったら、それは強いわと思います。
別に2連戦だってのは言い訳にはできないし、向こうだって連戦でやっている中で、今の新日本プロレスでは、2冠にふさわしい男だと思います」
オカダは内藤を称えて、自ら宣言した超満員計画は成功しなかったことを反省した。
4日は4万8人、5日はダブルタイトル戦にも関わらず1万人少ない3万63人。2日間で8万6000人を動員する計画だったから、目標には約1万6000人足りなかったことになる。
歓喜の合唱はKENTAへの大ブーイングに。
リング上の内藤は、ファンに語り掛けて遅れていた2年前の公約を果たそうとしていた。最近は合唱する機会が減っていたインゴベルナブレスのメンバーの名前を連呼して、最後に「デ・ハポン」と叫ぶやつだ。
内藤が音頭を取った。リング上に置かれた2本のベルトが、そのセレモニーに花を添えていた。
「EVIL、BUSHI、SANADA、ヒロム、鷹木、内藤。ノスオトロス、ロス・インゴベルナブレス……」
だが、内藤のマイクはここでストップを余儀なくされた。ファンはもう「デ」まで言いかけていた。
KENTAに内藤が襲われた。KENTAのヒザ攻撃“Go 2 Sleep”を食らって、内藤のファンとの大合唱は立ち消えになった。「デ・ハポン」の部分はKENTAへの大ブーイングに変わった。