プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
内藤哲也の東京ドーム大合唱が消滅。
オカダに勝利も伏兵のKENTAが悪行。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2020/01/06 17:15
輝く東京ドームのマットに2本のベルトを並べ「ノスオトロス、ロス・インゴベルナブレス……」まで叫んだ内藤哲也。
内藤の祝福の時間はほんの一瞬だった。
KENTAはダウンした内藤の腹の上に座って、2本のベルトをまるで新王者のように掲げた。それは悪者そのものだった。昨夏に柴田勝頼を裏切った男は、今度は東京ドームのフィナーレで、こんなやり方で次の挑戦者として名乗りを上げた。
内藤に与えられた祝福の時間はほんの一瞬だった。ベルトは両手に持ったが、掲げることはなかった。
もう新日本プロレスには東京ドームでさえハッピーエンドなんて存在しないのか。至福な安らぎの時間をせめて一晩くらい内藤に与えてやりたかった、と思ってしまった。
KENTAは内藤ファンのすべてを敵に回して、2つのベルトをめぐる戦いに参加することになった。もちろん、それを内藤は受けて立つはずだ。