プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
内藤哲也の東京ドーム大合唱が消滅。
オカダに勝利も伏兵のKENTAが悪行。
posted2020/01/06 17:15
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
内藤哲也にとって、2020年の至福にあふれたスタートと呼ぶにふさわしいものになるはずだった。
内藤は新日本プロレスの東京ドーム大会の1月4日と5日の2日間で、いや、時間でいえば、24時間という短い時間の中で2つのタイトルマッチを戦って、2つのタイトルを手に入れたことになる。
内藤は宣言していた「史上初の2冠という偉業」を、公約通り達成することができた。
「内藤はまた勝てないのか」ムードを跳ね返す!
今年の「Wrestle Kingdom 14」は2日間の連続開催だった。内藤は1月4日に、ジェイ・ホワイトのインターコンチネンタル王座に挑戦して1本目のベルトを勝ち取って、翌5日にオカダ・カズチカの持つIWGPヘビー級王座とのダブルタイトルマッチを戦い、35分37秒の熱戦の末、オカダをデスティーノという名の回転式脳天杭打ちDDTで仕留めた。
内藤が試合でオカダにパワー負けしていたのは事実だった。至近距離からのドロップキックに内藤が吹っ飛んでいく姿をみた。内藤はスターダストプレスというしばらく見せていなかった決死の飛び道具でオカダに覆いかぶさった。だが、これもオカダに跳ね返されてしまった。「ああ、内藤はまた勝てないのか」。ドームにそんな空気が流れた。
内藤はオカダのレインメーカーを4発も食らったが、それを跳ね返して、自らの運命を神に託すように、果敢にデスティーノを仕掛けた。
2年前は1月4日だった。前年のG1覇者としてオカダのIWGPに挑戦したが、内藤は敗れた。体調的にはあの時の方が今よりよかったはずだ。昨年11月3日に大阪で無冠のまま2冠取りに再名乗りを上げたが、その後、内藤は自分の体に異変を感じていた。
その時は、「原因はわからなかった」そうだ。