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井岡一翔「いくしかないと覚悟を」
エリートの弱点を克服した初防衛。
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2020/01/06 12:15
「打たせずに打つ」タイプだった井岡一翔が、被弾覚悟で前に出た。その気迫は世界の舞台につながっている。
井岡「長く現役をやるつもりはない」
2020年も日本人ボクサーの海外志向はますます高まるだろう。
井岡も復帰してからはラスベガスで長期合宿を張り、今回も同地で2カ月のトレーニングをへて初防衛戦に臨んだ。それは師事するイスマエル・サラス・トレーナーがラスベガスに居住していることだけが理由ではあるまい。アメリカで本気で勝負しようという決意の表れではないだろうか。
2011年に初めて世界王者となり、これまで世界タイトルマッチを日本人選手歴代最多の19試合もこなしてきた井岡は30歳にして「そんなに長く現役をやるつもりはない」と言い切る。
今のところアメリカでの試合は復帰した'18年9月の1試合のみ。2020年こそはビッグマッチ、ないしそれに直結するような試合に恵まれることを祈るばかりだ。