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板倉滉がオランダで増した説得力。
“金メダルは無理だろ”の声を覆せ。
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byAFLO
posted2020/01/03 11:40
板倉滉の表情、背中からも頼もしさが漂い始めた。迎える東京五輪イヤーでどれだけの成長を見せてくれるか。
以前より確実に逞しくなっている。
クラブでのパフォーマンスが良くなれば、代表にもつながっていく。板倉の目線の先には2020年に控える東京五輪の舞台がある。
「結局、いまは頑張ることがその先に繋がってくる。とにかく試合に出続けてアピールすることが大事。今は目の前のことを必死でやっていくしかない。
五輪に向けて言えば、この間の(U-22)コロンビア戦みたいな試合をしてしまったら、サポーターや見ている人から『金メダルは無理だろ』と言われるのは当然だと思っている。でも、僕は本気で金メダルを目指している。口だけが先行しないように、プレーでしっかり見せないといけない。だからもう、今はやるだけです」
言葉を交わして改めて逞しくなったと感じた。昔はどこかふわっとした雰囲気を漂わせていたが、今は様々なことを経験していろいろなことに説得力が増したように思う。そんな言葉を投げかけると、笑顔を浮かべながら自身の思いを口にした。
「代表選手がよく言いますよね、来られるなら早く海外に来た方がいいと。来てみて、言っている意味がわかった気がします。最初、何も通じなかったですから。そこでのし上がらないといけないから必死になりますよ」
欧州の地で必死にもがきながら、今年、数多の経験を積んだ。そして、迎える次なる年はどんな成長を見せてくれるのか。
「負けたくないですね。誰にも」
これまで以上の1年に。1月に23歳となる若武者は、新たな激動の年を駆け抜けようとしている。