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「打って、甲子園を沸かせたい」
阪神矢野監督の積極補強に動く本音。
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph byKyodo News
posted2020/01/04 20:00
秋季キャンプで井上一樹打撃コーチとともに練習を見守る矢野燿大監督(右)。
打線強化に必要なピース。
打線強化と同様に、矢野監督が大事にしていることがある。それは、「笑顔」だ。
「とにかく笑ってもらいたいのよ。選手たちには笑顔を求めたい。口角を上げて眉間のしわをなくすようにして欲しい(笑)」
これは冗談ではなく、矢野監督が本気で選手たちに求めていることだ。
グッズも販売されて話題になった、「矢野ガッツ」と名付けられた矢野監督のガッツポーズ。あのパフォーマンスには意図がある。
「自分が打てなかったり、ヒットが出ないと下を向くことはある。でも、チームメイトが活躍したら、本気でガッツポーズしてみようよ、と。天に向かってガッツポーズして、気持ちが落ちる人間はいないでしょ。マイナスではなくプラスの感情に持っていってもらいたいのよ。単純ではあるかもしれないけれど、意外と難しいことだったりする。だから俺は来季も、嬉しい時、喜ぶべき時は目一杯ガッツポーズするよ」
笑顔もまた、打線強化に必要なピースなのだ。
コミュニケーションを重視する矢野監督の手腕によって、2019年のベンチのムードは良くなった。2020年は「打って、勝って、ガッツポーズして、笑いたい」という矢野監督によって、笑顔の選手が増えるはずだ。