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真壁伸弥のラグビー人生に乾杯!
「羽ばたけ」から始まった縁とW杯。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byAsami Enomoto
posted2019/12/26 20:30
2015年W杯ではケガを乗り越え、南アフリカ戦のピッチに立った真壁伸弥。力強いタックル、ランで観客を沸かせ続けた。
大好きなラグビーとウィスキー。
2015年から2019年までの間、真壁はウィスキーのエキスパートとしても名を馳せるようになる。W杯2019の前後には、「ラグビーセミナー」と「ウィスキーセミナー」を全国で開催していた。
「セミナーを通じて、ラグビー好きの人にウィスキーに興味を持ってもらえました。その逆のパターンもあります。自分が大好きなふたつのことの普及、啓蒙活動です。僕はウィスキーと出会い、それぞれのウィスキーが持つ歴史、バックグラウンドに魅せられました。同じ原酒を、まったく同じ素材で作られた樽に入れているのに、樽によってまったく違う味わいになる。なぜこうなるかは、科学では解明されていません。将来的には『サントリーのウィスキーと言えば、真壁だよね』と言われるようになれたらいいなと思っています」
ウィスキーの色合い、香り、味わい。
琥珀の液体は様々な顔を持つが、真壁は人として多面的な魅力を持つ。
ウィスキーだけでなく、ラジオが好きで、サバイバルゲームも好き。ブログタイトルは「まかさんぽ」。
「本当に僕はいろいろなものが好きなんです。それなのに、僕はラグビーが苦手でした。実は、他のスポーツは本当にうまいんです。バスケではセンターなのに華麗なノールックパスを出してましたし、サンゴリアスのバドミントン大会では僕が優勝。これは本当です! 裏を取ってもらって構いません。なのに、ラグビーだけは苦手。でも、ラグビーがくれた『縁』には本当に感謝しています」
ラグビーと、ウィスキーが豊かにした人生に乾杯。
そして、おつかれさま。