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メジャーの補強に「聖域」はない。
MVPクラスの選手がトレード対象に? 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2019/12/25 11:15

メジャーの補強に「聖域」はない。MVPクラスの選手がトレード対象に?<Number Web> photograph by AFLO

フランシスコ・リンドーアクラスの選手でも、メジャーでは普通にトレードの対象になる。補強に聖域はないのだ。

リンドーアのために若手を出せる球団。

 事実、若手選手の宝庫とも言えるドジャースやレッズが「リンドーア獲得」のためにインディアンスと接触しているという噂が複数の米メディアの間で流れている。

 ドジャースはリンドーア獲得のため、2016年にメキシコ代表の一員として侍ジャパンと対戦し、広島の野村祐輔投手から本塁打を放ったアレックス・ベルドゥーゴ外野手や、同じく今季デビューした赤毛の長髪がトレードマークのダスティン・メイ投手ら、メジャーリーグ全体のプロスペクト(有望株)リストでも上位50位に入ったことのある選手たちを、交換要員として4人前後も用意しているという。

 レッズも今季デビューのニック・センゼル内・外野手や、マイナーで11本塁打11盗塁とリンドーアのように長打力と機動力を発揮したことのあるジョナサン・インディア内野手ら4、5人を交換要員としてリストアップしているという。

トレードされた後にMVPになった選手。

 潜在能力を高く評価されながらトレードで他球団に移籍してMVPを獲得した好例に、マーリンズ時代にイチローのチームメイトだったクリスチャン・イエリッチ外野手がいる。

 2010年のドラフト1巡目(全体23位)指名でマーリンズに高卒新人として入団したイエリッチは、デビュー2年目にゴールドグラブ賞を受賞したり、MVP投票の対象者になるなどすでに頭角を現した。

 そして年俸調停権を取得するシーズンの2015年3月に7年4957万ドル(約54億5270万円+2022年オプション付き)で契約延長したが、チームのオーナーシップが代わったことで再建期も前倒しになり、新契約下で3年プレーした直後の2018年1月にブルワーズにトレードされ、同年のMVPとなっている。

 交換要員は当時のブルワーズ有望株1位で、ブルワーズ時代に23歳でメジャーデビューしていたルイス・ブリンソン外野手、同6位で今年のデビュー戦でサイ・ヤング賞投手のジェイコブ・デグロム投手(メッツ)から本塁打を放ったイサン・ディアス内野手、今季メジャー・デビューして初勝利を挙げたジョーダン・ヤマモト投手ら4人だった。

【次ページ】 FAまで1年だと好条件はつけづらい。

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